クリーニングのビニールどうしてますか?
クリーニングのビニールどうしてますか? ■ビニールカバーを被せっぱなしにするメリットはゼロ クリーニングに出した後の衣類は、必ずビニール袋に包まれて戻ってきます。 洋服に被せられているビニールカバーは、あくまで簡易的なもの。キレイにした品物を「クリーニング工場内」や「店舗への輸送」、「店舗での保管」の最中に汚さないようにするために被せられています。 そのため、家に持ち帰ったあとの保管のことは一切想定されておらず、自宅での長期的な保管には不向きなのです。
. もし誤ってカバーをしたまま保管をしたら、衣類の変色やカビの大発生など、さまざまなトラブルを生み出す原因になります。
ただし、有料オプションで、自身が希望して被せてもらう不織布や防虫効果が付与されたカバーは別です。それ以外の場合、カバーは必ず取り外す必要があります。 では、デメリットはどうでしょうか?
1. 湿気がたまってカビが生えやすくなる 洋服をビニールのカバーをしたままクローゼットに保管した場合。湿気は蒸発する際に、床から天井に上って行きますが ビニールカバーは、下が開いており湿気が入りやすくなっています。 上はハンガーが通る程の小さな穴しか開いておらず、湿気が溜まりやすくなっています。6月頃のこの梅雨時期は、 衣類そのものが湿気を吸ってしまうため、ビニール内にどんどん湿気がたまっていきます。つまり、カビが最も生えやすい状態を作り出してしまうことになるのです。
2. 服が変色しやすくなる ビニールカバーをしていると、空気の循環も悪くなります。 空気中には窒素ガスなどさまざまなガスの成分も含まれていますが、空気の循環が悪くなると、洋服の特定の部分だけガスによる色素の分解が進み、裾まわりを中心に淡いグラデーションがかかった変色が生まれます。 たとえばダウンジャンパーなど、保管が半年以上続く衣類は特に、注意した方がいいでしょう。 その原因の一つがビニールに配合されている「酸化防止剤」というものです。 この成分を配合することで、ビニール自体の変色や劣化を防ぐ役割があります。 なので全てのビニールにはこれが配合されていますが、これだけでは洋服の変色には影響したりしません。 もう一つの原因成分は「酸化窒素ガス」、通称NoX(ノックス)という成分です。 Noxは窒素酸化物になります。 なので屋外にはNoX(ノックス)が少なからず存在します。 洋服のカバーでは、ちょっとした空気の入れ替えやお店から家庭までの間の持ち帰りの時間では洋服が変色することはありません。 では、カバーしたまま保管してもいいかなと思いますが、実は家庭内でこのガスが発生する場合があります。 それは、石油ストーブや石油ファンヒーターなどが窒素酸化物のガスが発生します。 このガスが部屋中に暖気と共に充満し、もちろんカバーをしたままの袋の中にも入ることがあります。 それがビニールに含まれる酸化防止剤と反応して洋服を変色させることがあるんです。 クリーニングから戻ったらカバーははずす事をお勧めする理由はこれだったんです。
3.服が黄ばみやすくなる ビニールを被せたままにしておくと、空気に含まれたガスがビニールを劣化させ、結果、ビニールに含まれた成分が洋服に吸着します。これによって、洋服が黄色く変色してしまうことがあるのです。 だいたい半年程度で起こりうる変色トラブルなのですが、空気の循環状態や、湿度、温度によっては早まったり、遅くなったりするので、どのタイミングで出るかわかりません。 ガスによる変色は、クリーニングでも戻せないことがあるので、ご注意ください。
以上のように、クリーニング店のビニールカバーを被せておくことは、デメリットばかり。しかもそれで起きたトラブルは、自己責任になります。 せっかくクリーニングに出したのに、次に着ようとしたら残念な結果だった……なんてことにはならないよう、必ず、ビニールカバーは取り外してから保管しましょう! それでも、袋がかかった状態で保管したい場合におすすめなのが不織布の袋です! ビニール繊維がフェルト化したもので、通常のビニール袋と違い細かい穴があります。 湿気をこもらせることなく保管することができます。