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ダウンジャケットクリーニング

 

1ダウンとフェザーの違い

ダウンジャケットの中綿に使われる素材には、ダウンのほかに硬い軸のついたフェザーがあります。軸のないダウンのほうが空気を内包しやすく、高い保温性を期待できますが、一羽の水鳥から5~10gしか採取できないため、非常に高価です。

一方、軸付きのフェザーは弾力性に長けていますが、保温性はダウンよりやや劣ります。ダウンの割合が大きいほど保温性は高くなりますが、そのぶん値段も高くなります。

2フィルパワーとは

ダウンウェアの上から重さをかけると、ダウンはペチャンコになります。そのまま放っておくと、ふわ~っと元の状態に膨らんでいきます。その時の、ダウンが元に戻ろうと膨らむチカラがフィルパワーです。

羽毛のかさ高(体積)を表す単位のことです。

ダウンの保温力は、圧力に対して反発する際に空気を含むことで保温性を産みます。

羽毛1オンス(28.4g)のダウンをシリンダー内に入れ、一定荷重を掛けた時の膨らみ度合いを立法インチ(2.54cm立法)で示します。

800フィルパワーとは、1オンスの羽毛が800立方インチの体積に膨らんでいることになります。 フィルパワーの数値が大きいほど空気を多く含んでおり、大量に含まれる空気の断熱効果によって保温性に優れ、暖かく良質なダウンといえます。

一般的に、500フィルパワー以下は低品質ダウンであり、600~700フィルパワーが良質ダウン、700フィルパワー以上は高品質ダウンといわれています。 フィルパワーが大きいと、同じかさ高さ(容積)のダウンが、少ない量のダウンで作ることができるため、軽いウェアとなります。

800以上のフィルパワーを持つダウンは雪山の登山にも使える高品質であり、タウンユースにはオーバースペックかもしれません。日本では、一部の厳冬地以外なら600~700程度のフィルパワーで十分でしょう。

3天然ダウンの種類の違い

ダウンとは水鳥の胸に生えている羽毛のことで、大きく分けるとグース(ガチョウ)とダック(アヒル)の2種類です。

グースの方が毛が長く、より空気を含むダウンがとれるため高品質とされています。 ちなみにダウンウェアの中には、ダウン以外にフェザー(羽根)も入っています。ふわふわで芯のないダウンに対して、フェザーは羽軸があり弾力性を持つため、型崩れを防いだりするが役割を持っているのです。

取れた地域によってもダウンの品質は変わります。

① アイスランド

② ポーランド

③ フランス

④ ハンガリー

⑤ カナダ

⑥ 中国

の6つが主な高品質なダウンが採れる産地で、この順番が高品質だと言われています。

4ダウンの充填量

どんなにフィルパワーが高くても、使われているダウンの量が少ないと意味がありません。

例えば、800フィルパワーのダウンが20g入ったダウンジャケットと、700フィルパワーのダウンが100g入ったダウンジャケットなら、 700フィルパワーのダウンが100g入ったダウンジャケットの方が暖かいと言えます。

防寒力を語る上でフィルパワーと同じくらい重要なのが、この充填量なのです。

5ダウンの弱点

一般的に、ダウンは最先端の化繊(プリマロフトなどの中綿)と比べても優秀な材料であることは間違いないのですが、唯一の弱点と言われていることがあります。 それは、水分によって体積が減ってしまうこと。

ダウンはたっぷり空気を含む分、それ自体は軽くて細かな繊維です。 なので、水に濡れると嵩が減ってしまい、含むことができる空気の量も減ってしまいます。

6ダウンジャケットで表地はいわゆる断熱材。

どんなにたくさんの空気層があっても、熱が簡単に逃げてしまっては意味がありません。

蓄えた温かな空気を外気や雨などの水分から守るのが表地です。

ダウンにばかり着目してしまいそうですが、どんな表地を使用しているかというのは、実はフィルパワーと同じくらい重要です。

7表地に防水

水や風を通さない機能です。

防水生地の多くは3層になっていて、真ん中に防水フィルムが挟まっています。 半永久的に水を通さず、同時に風も通しません。

レインウェアやシェルなどにも仕様され、撥水や防風よりも高機能とされています。

8表地に撥水

撥水とは水を弾く機能です。

撥水生地の多くは、生地表面に薬品を塗ることにより水を弾いています。 あくまでも表面の加工なので、洗濯などにより徐々に効果は薄まってきます。

ちょっとした雨などには対応することができ、色々な生地に応用されている便利な加工です。

ちなみに、防水素材に撥水加工すれば、雨も水も鬼に金棒です。

9シームレスダウンとは

生地を縫わず、熱圧着などの加工で接着しているもの。

メリット →縫い目から水が侵入する心配がない、完全防水。

デメリット→一般的に糸で縫う場合と比べ、劣化が早い。

シームレスダウンという言葉が一般的になった分、糸での縫製は簡単に水が浸入してしまう様な気がしますが、 特に撥水加工が施されている表地は表面張力が働くため、防水生地を使用していれば雨の日でも特に問題ありません。

ただ、強い水圧がかかる状況下や、過酷なアウトドアフィールドでは完全防水機能が必要な場合もあります。

その場合には、シームレスダウンがおススメです。

10ダウンジャケットの防寒力

「ダウンの品質(フィルパワー)・充填量・表地の機能」の3点です。